代表的な偽アップデートマルウェア配信フレームワーク「SocGholish」分析 | ScanNetSecurity
2024.05.17(金)

代表的な偽アップデートマルウェア配信フレームワーク「SocGholish」分析

 デジタルアーツ株式会社は11月14日、偽アップデートの代表的マルウェア配信フレームワーク「SocGholish」の分析レポートを公表した。

調査・レポート・白書・ガイドライン
偽アップデート URL件数
  • 偽アップデート URL件数
  • SocGholish 感染チェーン

 デジタルアーツ株式会社は11月14日、偽アップデートの代表的マルウェア配信フレームワーク「SocGholish」の分析レポートを公表した。

 偽アップデート(Fake Update)は、偽のアップデートページを表示してアクセスしたユーザーにマルウェアをダウンロードさせる攻撃で、いくつか異なるパターンがあり、2023年には「SocGholish」、「ClearFake」、「SmartApeSG(ZPHP)」「FakeSG(RogueRaticate)」、「FakeUpdateRU」などが観測されている。同社が観測した偽アップデートのURL件数は、2023年7月に58件、8月に108件、9月に152件と、直近3ヶ月で右肩上がりに増加している。

 同社が今回、分析を行っている「SocGholish」 は、様々なマルウェアを配信するために使用されているJavaScriptフレームワークで、2017年末頃から観測されており、2022年に米国の250以上のニュースサイトを改ざんしたことも判明している。

 同レポートによると、「SocGholish」はブラウザ上で正規サイトの html を置き換えることで、偽アップデートページを表示し、マルウェアをダウンロードさせていることが判明している。改ざんされた正規サイトにアクセスすると JavaScript が順次実行され、アクセスしたブラウザ上で html の置き換えが発生する、実際に偽アップデートページを表示する際は、リダイレクトはせず、アドレスバーも元の正規サイトの URL のままで、一瞬で表示されるため、不信感を与えにくくなっている。

 「SocGholish」は、アクセスした人の動作等を含め、IPアドレスや解析者・サンドボックスなどの機械的なアクセスかどうかといった様々な項目で確認を行いながら挙動を変化させ、チェック時に問題が確認され、想定するターゲットではないことが判明した場合は、別ルートに誘導される、そのステップで終了し偽アップデートページが表示されない等、想定するターゲットにのみ偽アップデートページを表示させることで、様々な解析回避を行っている。

 想定するターゲットの場合、html が大きく置き換えられ、偽アップデートページが表示され、ページ内のボタンをクリックすることでファイルがダウンロードされる。ダウンロード部分には解析回避で用いられる「HTML Smuggling」という手法を確認している。

《高橋 潤哉》

編集部おすすめの記事

特集

調査・レポート・白書・ガイドライン アクセスランキング

  1. GMOイエラエ「軽量暗号 Ascon などに関わる標準化動向調査」が CRYPTREC に公開

    GMOイエラエ「軽量暗号 Ascon などに関わる標準化動向調査」が CRYPTREC に公開

  2. 社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

    社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

  3. Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

    Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

  4. 脆弱な DMARC セキュリティ・ポリシーを悪用、北朝鮮スピアフィッシング詐欺

  5. 7月のフィッシング報告状況、「.cn ドメイン」のフィッシングメールを多く確認

  6. 日本国内では Mirai と別のマルウェアが独自ボットネット形成、2024年第1四半期 インターネット定点観測レポート

  7. フィッシングサイトのドメイン「workers.dev 」急増、デジタルアーツ調査

  8. 2024年第1四半期 IPA 情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況、サポート詐欺被害時の漏えい可能性判断ポイントほか

  9. JIPDEC「個人情報取扱い事故報告」2022年版、最多原因「手順やルールに違反した作業や操作」

  10. 重い 高い 検索も使いにくいメールを企業の 6 割が使う理由

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×